国益というもの



「国益」と言うと、なんだか偉くなったような錯覚を覚えるのですが、そんなことはありません。
 国益が上がらなければ、国民は貧乏になる。
 ただそれだけのことです。

北朝鮮問題
 さてはじめに南北分断ということをどう考えるでしょうか?
「勝手に分断してるんだからカンケーないじゃん」
「日本は韓国と朝鮮に謝罪をしなければならない!」
「南北分断てなに?」
 様々だと思います。
 例えばこれを、歴史として日本の国益を中心に見てみれば、帝国時代に日本は資源不足のため大陸へ進出し、朝鮮半島を植民地に納め、また満州・台湾なども統治下に置きました。
 統治方法は、統治に赴いた人の考え方によってまったく異なっていたでしょう。
 その当時、大陸や半島のように、日本人が人種差別をするような場所もあれば、台湾のように、現地人と日本人が全くの共生をする場所などがありました。

 日本は島国であり、資源に乏しい国であるということは、日本人の誰もが認識していることです。(え?認識していない?)
 明治時代の、大政奉還後という時代は、欧州列強が競って植民地を増やす帝国時代でした。
 欧州列強が植民地としたのは、移民の多いアメリカのほか、東南アジアなどがありますし、中国では清の時代にアヘン戦争で取られたマカオや、香港などもあります。
 日本も極東の島国である以上、欧州列強は後々植民地となる国に数えていたはずです。資源を確保して欧州各国に力で対抗するためには、日本が欧州列国と並ぶ帝国となることが必要でした。
 国内の欧化政策や富国強兵というのは、欧州列国と対等であるための条件だったわけです。
 ということで、手近なところで資源があるのは、まず中国大陸でした。
 現在とは異なって、負けた国は植民地となることを余儀なくされる時代でしたから、日清・日露戦争で日本が負けていたら、旧日本帝国領とされた満州やハルビン・日本の一部はロシアの植民地となるはずでした。

 この関係は、三国志とほとんど同じ状態であると見て問題ないでしょう。
 魏に相当する北の大勢力であるロシア、荊州に相当する場所は満州、呉に相当するのが日本です。

 日清・日露戦争に勝利した後、植民地となった土地を持っていた中国との紛争が、この次の日中戦争です。
 日中関係の中では、盧溝橋事件や南京事変などに関わるジェノサイドが問題とされますが、これは事件の有無を論じようとするから関係がこじれるという状態があります。
 外交ではこれを中国が上手にカードとして利用しています。(例えば経済協力の増強などを求めると言った場合でも、或いは貿易摩擦の問題であっても、一方的に過去の歴史は日本側に問題があったと言われると交渉の議題がずれるのです。実際に論じなければならないことではあっても、議題とは異なるテーマなのに)
 この中国と同じ方法で日本に援助を求めるのが北朝鮮の方法のようです。
 ただし北朝鮮の事情が中国と異なっているのは、現在の段階で、北朝鮮が拉致問題を認めた点にあります。
 拉致問題を認めた北朝鮮から、実際に拉致被害者であった生存者の一部が帰国してきた以上、拉致された疑いのある他の被害者が北朝鮮国内に現在も生存している可能性は大いにあります。つまり北朝鮮は日本にジョーカーを見せたのと同じ状態と見ることができるでしょう。
 これは拉致問題を認めてでも日本との国交正常化交渉を急ぐ必要が出てくるほど、北朝鮮の内情が逼迫していると見てよいはずです。ならば経済援助を(一体なにに使われているのかわからないのが怖いが…)続ける限り、日本は北朝鮮との会談・平和的交渉の場を設ける機会が残されているはずなので、経済援助を枯渇させずに交渉を続けることで、現在も北朝鮮に残っていると見られる日本人や日本人妻の人が少しずつでも帰国することのできる機会を増やせるでしょう。
 IAEAを脱退した北朝鮮に向けてアメリカが重油輸出を差止めたのを皮切りにし、KEDOが行った重油輸出差止めは、第二次世界大戦直前に国連が発展途上国各国への軍備増強を発表したことによって日本が国連を脱退し、アメリカが経済制裁を発動した状況とよく似ています。
 第二次大戦の轍を踏まないために、日本はぎりぎりのところで経済援助を考え、平和裏に北朝鮮と交渉の機会を見つけることが大切だと思われます。
 韓国は、日本がいる以上、北朝鮮の直接目標にはならないので安心していることでしょう。
 北朝鮮も、韓国を刺激すれば、韓国に離散家族を持つ北朝鮮人が国に反感を持つでしょうから、韓国を悪者にすることはできませんし、どちらも「ひとつの民族」であることを言う以上は「異民族」であり「帝国主義がのさばった時代に帝国主義国であった悪者」である日本を槍玉に挙げれば、半島外に目を向けることで、国民意識の団結がしやすくなります。今後もミサイルは日本を向いていることでしょう。それが何キロ飛ぼうが、北朝鮮には関係ないことです。日本を脅かしていると国内に誇示できればよいのですから。
 ですからここはひとつ、ミサイルが日本を向いていると言って「ねえ、怖いわ〜」などとテレビのインタビューで言ってみることです。そうすると多分、北朝鮮は安心するので爆弾は近距離用に開発された小さなものが飛んで日本海に落ちてきても、ノドンだのテポドンだのは落ちてこないはずです。
 本当に日本を攻撃したら、日本からの開発援助だの経済援助だのは本当にストップしますから、北朝鮮も多少の経済援助があるうちからそんなことはしないでしょう。それほどバカではないはずです。

 あと、拉致問題を外交カードに使うなというのは無理な話です。
 拉致を行ったのが国として世界に認知されている国なので、立派に国際関係です。ということは外交によってしか拉致問題は解決しませんし、拉致問題を解決するためには地道な外交が必要になるはずです。この間の日朝首脳会談のように派手な外交は二度とないのでしょうけれども。
 日本は今のところ経済がぼろぼろですから、一度攻撃されて自衛権を発動できるようになったら軍需で持ち直すかもしれないですね。後は攻撃された後の復興とか。なにしろ攻撃されて都市部壊滅したならば、日銀もぼろぼろでしょうし、既存の銀行は倒産するでしょうから、金融関係は完全に一から出直すことも可能かもしれませんから。
 それから、アメリカからは復興の為と称して、円の債務をしてもらいます。今は一ドル120円前後ですから以前よりもレートが落ち着いていますし1ドル360円の時代よりも債務が楽になっているはずです。ですから攻撃された後の復興資金を作るために、北朝鮮情勢が危うくなったら、現在持っているアメリカの国債を全部売り飛ばすよう国会に求めましょう。
 え?そんなことをしたらドルが暴落するかも?うーん…ドルと連動して円が落ちるのは困るので、返済してもらえる分を全部ユーロにしてもらいますか?そしてユーロから新円切り替えとか。

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