国益というもの



「国益」と言うと、なんだか偉くなったような錯覚を覚えるのですが、そんなことはありません。
 国益が上がらなければ、国民は貧乏になる。
 ただそれだけのことです。

イラクと石油利権
 イラクは世界第2位の石油産出国です。
 日本は資源がないので石油が欲しいです。
 アメリカは、同盟しなかった国にはイラク戦争終了後、石油を渡さないと言い放ちました。小ブッシュが。
 ライス女史の話しを聞いていても、やはり狙いが石油であることは間違いありません。
 開戦直前までいろいろとありましたが、ここで重要なのは、アメリカが「フセインが亡命すること」を条件に、イラク攻撃の撤回に言及したことです。
 独裁的な大統領・フセインがイラクからいなくなれば、アメリカは次期政権の後ろ盾として君臨し、イラクの石油利権を一番多くとることができると見ることができるでしょう。
 一方、アメリカに最後まで反対したフランス・ドイツ・ロシア。これらの国はなぜ反対したのでしょうか。
 答えはフランス・ドイツ・ロシアはフセイン政権との間に既に石油交易を持っていたからです。
 つまりアメリカ、イラクとの石油交渉に出遅れたんですよね。
 安保理決議は、アメリカとフランスの国益対決の場だったということです。

 フセインに退陣要求をしたアメリカですが、IAEAを脱退した北朝鮮とは違い、自国に利権があるとわかっているイラクは、最後まで国連査察団を受け入れたりミサイルを廃棄するなどして食い下がりました。
 ミサイルをあらかた放棄したら、アメリカが残りの軍事力をぶっ叩くのは明白。ミサイルを廃棄した上で攻撃したら、アメリカに非があるのは明白。安保理の決議無しでイラクを攻撃したらアメリカが侵略戦争を仕掛けたと見てよいでしょう。
 だからアメリカは「イラクを攻撃する為の正当な理由」として、はじめには核開発疑惑、それから生物兵器製造疑惑を持ち出しました。
 それはもう、明確に現在の趣旨とは違っているではないですか。
 アルカイダにはじまって、核開発。それが今では「人道的に独裁者に圧迫されていたイラクを開放することが目的」としているのですから。ひとつの戦争が終わるまでにこれほど理由が変化するのも面白い。

 で、なぜ日本はイラク攻撃支持か。
 最初に言ったとおり、日本も石油が欲しいです。
 いつでしたっけ?日本のアラビア石油がサウジアラビアの油田の権利を手放したのは。
 石油はあと50年で枯渇するとか、10年後には石油に代わるエネルギーが開発されると言いますが、ちょっと待ってください。
 石油ってエネルギーだけでしたっけ?



 何があるかわかりました?

 ひとつは確かにエネルギー。
 それからプラスチック。
 ポリエステル。
 石鹸。
 化粧品。
 ポリスチレンとかポリビニルとかも石油が主な原料ですよね?

 日本は石油製品によって現代生活をしているのです。
 それは日本以外の先進諸国も同様です。
 ということは、アメリカが世界第2位の石油産出国・イラクを狙うのであれば、一緒に出遅れたイギリス、日本にとっては国益となる石油利権を取るためのチャンスなんです。
 石油が手に入るなら、オイルショックはきませんので安泰です。
 で、アメリカを激励しなければ、日本は石油を止められていたでしょう。
 日本は独自外交ができない国なのですから。
 それは外交手法が幼稚だということではなく、日米安保条約で首輪をつけられているからです。
 ですからアメリカが武力行使を決めたときには、現内閣には支持しないと言う権利はなかったのです。支持表明が早くてよかったですね。ちょっとはアメリカの心象よくなっているでしょうから、石油をもらうことができるはずです。
 遅れていたらきっとオイルショックでした。子ブッシュは言ったことを実行するに決まっています。



 これを書いている人間を、非人道的な人間だと思いますか?
 例えどのような人であっても、同じ人間であって、憲法が言うように「平和を享受する権利」はあります。これは当然のことです。ただそれは、どの国の人も、最終的には国連ではなく各国家が国民に保証するものでなければならないのではないでしょうか。
 ハンガーストライキをやる人たちに言いたいのは、いつも同じようにハンガーストライキで済ませるのではなく、やるのであれば「自分たちは石油利権はいらない」ということで、自動車を使わず、ペットボトルを使わず、化学繊維の洋服を着ず、ビニールを使わず、ありとあらゆる石油製品を生活から排除して見せればよかったのではないでしょうか?
 そうすれば石油がなくなってもオイルショックにはなりません。身の回りから石油製品がなくなるだけです。
 まあ、日本の主要工業製品のほとんどにプラスチックが使われている以上、旦那さんの仕事はなくなりますけれど。

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