春秋時代の資料


『春秋』とは通常、魯の春秋を指すが、実際には編年体の国史のほとんどを春秋と呼んだようで、魯以外に少なくとも周、燕、宋、齊も国史を春秋と呼んだと『墨子』に記録がある。
時代区分としての春秋は、周王の東遷(770年)から晋の韓魏趙への分裂(481年)までを指すというのが一般である。
春秋三伝は『春秋』の解説として作られたものだが、『辞源』によれば「左氏は事実に詳しく、公穀は義例を釈す」とされる。
基本の十三経 漢代に指定された五書『周易』、『詩経』、『尚書』、『禮記』、『春秋(この春秋は通常『左伝』を指す)』に、唐代には『周禮』、『儀禮』、『公羊伝』、『穀梁伝』を加え、同じく唐代の開成年間(紀元836年〜840年)には『孝経』、『論語』、『爾雅』、宋代に至って『孟子』が追加され、十三経となった。
『春秋』 孔子の編纂と言われている(『孟子』に 孔子作春秋 と書かれている)が、実際には恐らく少しばかり孔子が手を加えたところがあるという程度であると思われる。
春秋時代の歴史書の代表で、編年体で記される。魯の隠公元年から、桓公、莊公、閔公、僖公、文公、宣公、成公、襄公、昭公、定公と記録し、哀公14年の獲麟までの約240年間分の資料となる。
『左伝』 『左氏伝』、『春秋左氏伝』とも呼ばれる。
春秋三伝のうち、もっとも早く戦国時代に作られたと思われる。
利用頻度が高い。
『周易』 周代に用いられた易法の解説書。
八卦を用いて占うもの。漢の荀爽、呉の虞翻などが註をつけたが、現在荀爽註と虞翻註は思想に偏りがあると言われている。(つまり荀註と虞註は当てにするなと…)
『公羊伝』 『春秋公羊伝』のこと。
国名の記載が『左伝』と違うことがある。
(チュウ国:朱にオオザト を、チュウ婁国と記している)
『穀梁伝』 『春秋穀梁伝』のこと。
国名の記載などは『左伝』とほぼ同じ。
『公羊伝』よりも成立が遅いらしい。
『国語』 『春秋』が魯国のみの史書であるのに対し、『国語』は各国の資料を扱っている。
晋、齊などの記録を見るのであれば『国語』が必要。
『史記』 司馬遷による黄帝から漢の武帝までの三千年を記伝体でまとめたもの。本紀、表、書、世家、列伝からなる。
漢書司馬遷伝に十篇ほど“有録無書”の篇があると言われ、三国魏の学者である張晏によりその十篇が景紀、武紀、禮書、楽書、兵書(律書)、漢興以来将相年表、日者伝、三王世家、亀策列伝、博キン列伝(キンは「革斤」で一文字)であると指摘されているとされる。
『戦国策』 春秋ではなく戦国時代の記録だが、国史を遡って解釈をする例もある。
ただし韓国、魏国、趙国(左記三国は春秋時代の晋国)、齊国(元は姜姓だが戦国時代には田氏が君主の位を簒奪)は春秋の君主とは血筋が異なっている。韓魏趙田(春秋には陳氏とされる場合あり)の家系史を辿るには春秋三伝よりも詳しい場合あり。
『禮記』 『ライキ』と読む、儀礼作法の記録。
東西周王朝の儀礼を調べるにはまず『禮記』を調べるのが一番早い。
『論語』 いわずと知れた儒教の聖典。
『孟子』 性善説を主張する孟子の書。
戦国時代の思想書として、やはり儒教の13経に含まれている。
『大学』、『中庸』 『禮記』に記されるうち、「大学篇」と「中庸篇」を抜粋したもの。
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