孫氏三代(184/03)「広き庭園」


 夕日が雲を綺麗に染めかけていた。
 やがて、その色彩が緑や青っぽい水面を通して、より多彩な色を見せてくれるんだろう。
 この時間になると、庭園の手入れをする人もいなくなる。一ヶ月前だったら、後は私一人の時間だったけれど、今は違う。それよりはるかに楽しみなことがあるんだ。
 それはもうそろそろ。
 大地と陽との間の幅から、いつ、あの人がくるか、わかる。もうすぐだ。
 私はいつものように庭園にしかれた道の奥へと目を向けている。なぜか瞬きするのが惜しいくらいにそちらを見つめている。
 そうすると、私の視線の先にあの人の姿が現れる。日に三度もあることなのに、何か思う前に、なぜか胸の鼓動が早まる。それに背中から眉間の方へとなぜか悪寒のようなものが走る。とても落ち着かない気分。でも、悪くはない気分、心地よい高揚。
 あの人の名前は呂子衡。子衡さんこそ、この夕暮れ時の庭園にもふさわしい人だ。
 子衡さんの姿が私の瞳の中でゆっくり大きくなっていく。いつもの池に沿った道を歩いている。いつみても優雅だ。
 私がうっとりしているところに目も向けず、子衡さんは同じ歩調で動いている。私は刺繍をしている手を休め子衡さんを見つめている。いつもどおり。そう、いつもどおり。
 私は屋根のある台座にいて、子衡さんは池のへりに沿ってあるくだけ。立ち上がり歩き出し手を伸ばせばあの人に届く間なのに、何だか私にはとてつもなく遠い狭間のように思える。あの人がいつもこちらに目を向けないからかもしれない。
 いつも見えるのに、いつも届かない。そう思うと、胸の奥からとてつもなく切ないものがこみあげてくる。
「子衡さん」
 私の思いはついに口から吹き出た。その声は大きかったようで、過ぎ去ろうとしていた子衡さんがこちらを向いていた。私は子衡さんの顔から何を思っているのか全く見いだせないでいた。無表情だ。
 私はいたたまれなくなって二の口を開く。
「少し……いいですか? お時間、いただけますか?」
 そう私が告げてから、しばらく何も起こらない間があった。私の胸は高鳴る。
 やがて子衡さんは愛想のいい笑顔を見せる。
「いいよ……何か用?」
 子衡さんの声はとても好意的。でも、なぜか私の心に漠然とした不安感がある。だけど、もう「何でもありません」なんて言えない。
「ちょっと見て欲しいものがあるんですが……」
 弱々しく、私は言葉をつむいだ。子衡さんはすぐに真面目な眼差しを向ける。
「えっ……何か盗まれたものでもあるのか?」
 子衡さんがつむぎかえした言葉は私の思ってもいなかったものだった。だから、気後れしてしばらく何も話せなかったけど、もう私は止まらない。
「いいえ……これを見て欲しいんです……」
 私は右手で手元の衣(うわぎ)を子衡さんにかかげた。彼のきらきらした瞳はその動きに追いついている。視線をそのままに、彼は私の方へと近づき、私の右手と上着を優しく両手を添える。彼は滑らかに私の手ごと自らの手元へ衣を寄せ、しばらくそれをじっくりと見つめている。
 子衡さんの温もりが衣越しだけど、私の右手から伝わってくる。うるさく感じるほど、私の胸は高鳴っている。そんなに落ち着かないのなら、彼の手を振り払えばいいのに、と自分自身に思っていても、なぜかずっとこのままの方が良いとも思っている。
 やがて子衡さんは面を上げ、驚きの顔で私を見る。
「すまない。仕事中だというのに、ついついこの衣を見るのに夢中になったみたいだ」
 子衡さんの瞳がまっすぐ私の視界に入った。すぐさま、私は顔に熱いものを感じる。そして顔の赤さが子衡さんに悟られないかとまた私の胸が鼓動を打つ。
「い、いや、良いんです、謝らなくたって……それより、この衣、どうでした?」
 何とか私の胸中をごまかすために、急いで私は切り返した。子衡さんはゆっくりと視線を降ろし、再び衣に目をやる。
「俺が気にかかったのはこの刺繍だ……地の生地の色彩に対してかなり大胆な色使いだ。今まで見たことがない……まだ完成してないけど、なぜか心、惹かれる……うん、悪くない、これ」
 子衡さんはつぶやくように話していた。一方、私は自分の刺繍を褒められてますます顔を火照らせている。
「これ、誰のだ?」
 子衡さんは衣を見たまま、私に訊いた。それは私が待ちかまえていた質問。だから、私にとってその答えなんて分かりきったこと。だけど、私がそれを口にするのにはかなりの勇気がいるようだ。現に唇が震えてるし、さっきから喉がとても乾く感じがしている。とても声を出せそうにない。
 だから、私は左の手のひらで子衡さんを指し示した。すぐに子衡さんは顔で疑問を示し返す。仕方がないから唇を震わしながらも、私は声を出す。
「子衡さんのものです……子衡さんに着てもらおうと思って作っています……」
 私の言葉で子衡さんの疑問は晴れるどころかさらに深くなったようだった。もう彼は面を上げ、私の顔をまじまじと見ている。
「俺に?」
 子衡さんの疑問は顔だけじゃなく、声にも出ていた。私は思わずうつむく。それでも、恥ずかしい心を押し殺して何とか口を動かそうとする。
「私の庭園を見まわるときはこの衣を着ていて欲しいんです……その県吏の服もお似合いですけど、この衣を着ると、きっと、今よりこの庭園の美しさと合って、素敵になると思うんです」
 一旦、口にしてしまうと、私は思ったことをどんどん言葉にしていた。我ながら厚かましいと思う。そんな私に対しても、子衡さんは笑顔で応じてくれる。
「俺のためにわざわざ? 君の気持ちはとても嬉しい……だけど、ちょっと厳しいことを言うかもしれないけど、君の庭園に来ているのは仕事だから、悪いけど、この県吏服を着ておかないといけないんだ」
 最後には申し訳なさそうな声で子衡さんは応じていた。そんな優しい彼を私は心底、気に入ってしまったようだ。
「そんなお好きな服を着られないような県吏なんて辞めて、私の家で働きません?」
 私はとても幸せな気分だったので、ついつい前々から思っていたことを切り出してみた。突然のことで子衡さんは思ったとおり、きょとんとしている。だから私は続ける。
「ほら、見てのとおり、私の家ってとても広いじゃないですか。だから、いつも防犯について心配しているんですよ。だから、子衡さんに専属で守ってくれたら、良いと思いました……あ、お金のことなら心配ないですよ。今、月に一六斛ももらってないんでしょ? うちなら最低でも二五斛は出します。それでも足りないっていうなら上げていきますし」
 私はひそかに人をやってあらかじめ調べていおいたことを、なんとか思い出しながら話し続けていた。子衡さんが話の節々で相づちを打ってくれるから、ついつい言う予定にないことまで口にしていた。だから、話し終えた後は子衡さんの返事を待つだけとなってしまう。気まずい沈黙は続く。
「悪いけど、どんな良い条件でも県吏を辞める気はないんだ。俺を評価してくれる気持ちは嬉しいけど……」
 子衡さんのその答えは覚悟してたけれど、いざ、耳にすると、とても私の心に重く響いていた。それをぬぐい去ってしまいたいという思いで、私は子衡さんの声を遮ってまで口を挟もうとする。
「ど、どうしてですか? 私の家って大きさに見合う財産があります。それは細陽県だけじゃなく、汝南郡で一番、大きいんです。もしかすると豫州一かもしれないぐらいです。そんな家に仕えるってことは、もう将来を約束されたようなものですわ……その何が不服なのでしょうか?」
 私の声は焦る気持ちでところどころ上擦り裏返り乱れていた。それでも子衡さんは真摯に耳を傾けてくれていた。でも、それが返って私の態度が浮いてしまい、言うことを終える頃には、自らをかえりみて私は惨めな気分になっていた。
「別に、俺は財産や将来の安定なんかを求めてないんだ……」
 子衡さんはとても優しく接してくれた。私はどんどん惨めになる想いを何とか振り切って、彼から答えを求めようとする。
「では、何です? それ以外に何があるんでしょうか?」
 私はいつの間にか刺々しく接していた。私の刺々しさはすぐに優しい子衡さんの微笑みで、そっくりそのまま跳ね返される。私の心に痛々しく刺さる感じで。
 そして、子衡さんは微笑むことをやめ、真っ直ぐ私の顔を見入る。
「俺は自分に誇りを持てる仕事がしたいんだ。今は雑用程度の仕事で俸禄が少ないかもしれないけどね。だけど、この仕事は、ほんの少しかもしれないけど、細陽県の人々の役にたっている……それに出世できれば、県どころか汝南郡や豫州全体の人々に向けて仕事ができるんだ……まあそれは本当に出世できればだけどね。とにかく俺は今の仕事に誇りを持っているから……」
 子衡さんは少しはにかみながら言っていた。それが私の申し出を断る内容じゃなければ、私は素直に今の彼のことを可愛いと思っていただろう。でも、今の私の心にそんな思いは残らず、どうやって彼の返事をくつがえそうかという焦りだけが次から次へとわいていた。
「あの……でも……」
 私の心に口から出る言葉がついてこられないでいた。
 子衡さんはそんな私に気付かず、何かを思い出している。
「俺、見回りの最中だったな……悪いけど、俺、県府に戻るから」
 その言葉をその場に残し、子衡さんは早足で私から離れていった。
 後に残された私は自分の右手を見ていた。そこにはここ数日、熱心に刺繍をしていた衣があった。
 きっと、子衡さんにとって、さっきのことは仕事中のささいな出来事だったんだろう。だけど、私にとってとても悔しく哀しいこと。
 右手にある衣は、ついさっきまでとても綺麗で素晴らしいものに思えた。でも今はただの衣に見える。こんなのだったら、いくらでも手に入る。
 そう思うと、衣は私の手から地面へと離れていた。


 夏の強い日差しがこの庭園に照り返る緑と濃く深い影を形作っていた。
 いきいきと鮮やかな色彩は私のお気に入り。それに視界のまん中には池の水面が涼しく横たわっている。これが夏の風景なんだ。
 去年はこの風景が私の目に鮮やかに映っていた。だけど、今年は影ばかりに目がいく。そのわけは判っている。だけど、それを深く考えたくない。とにかく、光の届かないところをただ見ていたい。
 別に人がどうこうというわけではない。ただ、自分を許せない。こんな気持ち、お父さまやお母さまにどれだけ話しても、一つも伝わらないことなのかしら。このことは一言も話していない。
 だから、呂子衡さんにはまだ見回りに来てもらっている。彼は嫌がりもしないでちゃんと来る。毎日、同じ時刻に、正確に。だけど、子衡さんがこの庭園に来ても、その姿を一ヶ月前のように眺めるどころか目を向けることすらできないでいる。あれ以来、一言も話していない。
 子衡さんがとてもやさしい人だから、私の醜いことが全部、自分に跳ね返ってくるような気がしていた。あの人が見回りにくるときは相変わらず胸が痛む。心に小さな棘が刺さっている感じがする。
 こんな嫌な気持ちは時が解決してくれる、そう信じてもう一ヶ月も経ってしまっている。何かに打ち込めれば、忘れてしまえるとも思って、いつもの池のほとりの屋根のある台座で今、琴を弾いているけど、手は心と関係なく勝手に動いているだけ。ちゃんと心ではその音色がもの悲しいものって捉えてしまっている。
 私は琴を弾く手をとめてしまっていた。弾いても弾かなくてもどんどん惨めになることは判っているからだ。こんな気分に捕らわれている自分も大嫌い。
「あれ、弾くの、やめるのか? 俺はもっと聴きたいけどな」
 突然、背後からそう声がして、私はびくんとした。とっさに私は振り返る。
 そこには男の人の顔があった。そう、毎日、近くにいるはずなのに、とても懐かしい顔。子衡さんだ。
「え、あ、で…」
 私は言葉にならない声を出していたけど、すぐ子衡さんにさえぎられる。
「驚かしてごめん。良い音色だったから、中断させるより終わるまで待っていようと思っていて…」
 子衡さんは一歩引いて、両手を前に出し朗らかにしていた。気付いたら、私は彼の様子に見とれている。それ自体、何だか悔しかったので、すぐ顔をそむける。
 子衡さんはそんな私の様子に少し言葉にならない声をもらす。
「そんな驚かせたか?」
 子衡さんの声に謝罪の気持ちが込められていた。
 でも私が彼に気を向けて欲しいことはそんなことじゃない。なぜ、今まであんなに近くにいたのに声を一つもかけてくれなかったの、ということ。そう思っているとなんだか私の心は腹立たしい気持ちで満たされていく。
 きっ、と私は彼をにらむ。
 その私の鋭い視線の先に、子衡さんの困っている表情があった。それをまともに見ると、私の腹立たしい気持ちが和らいでしまう。まったく私って駄目な人。
 ふと私は子衡さんの姿に違和感を感じる。そうだ、いつもの涼しい顔じゃない。彼の顔はなぜか汗をかいているし、服装もいつものゆったりとした官吏服じゃなくて動きやすい袴褶(こしゅう)姿。よくよく思うと、今はちょうどお昼どき。子衡さんが見回りにくる時刻じゃない。
「どうかしたのですか?」
 私は疑問を思ったことをそのまま口にした。それがきっかけで子衡さんは何かを思い出したかのように真顔になる。
「そうだ、忘れるところだ……実は君に大事な話がある」
 子衡さんは真摯に私を見つめていた。私はそれを素直に見返す。
「何がですか?」
 話の続きをうながす私の言葉は短くても、その想いはとても大きなものだった。何となく子衡さんが次に出す言葉をわかっていた。もう見回りは辞めたい、そういう言葉だ。
 子衡さんはゆっくりとした息づかいをする。
「君も知っていると思うけど、一ヶ月ぐらい前に北どなりの穎川郡で起きた暴動は、衰え知らずで今、その郡全体を覆うほどになっているんだ。それに合わせてか、うちの郡の北端でも暴動が始まった…」
 子衡さんは一旦、言葉をきり、深い呼吸をした。私は覚悟を決めていたので、何を言われても平気だったけれど、今、彼が言おうとすることをつかみかねていた。
「…でも、政府ももちろん、黙ってはいなかった……うちの汝南郡の趙太守どのは召陵県で郡の暴動を撃とうとしている。州からも刺史の王子師どのが軍を派遣している。それに京師から派遣されている軍は穎川の賊軍を長社県と陽擢県で大いに敗ったそうだ…」
 子衡さんの言っている意味は私によく伝わっていたけど、意図することは私にまだ一つも伝わってこなかった。それでも話の先にすぐ答えがあると思って、私は何度か首を縦にふっていた。
「…京師は北の穎川郡よりさらに北の奥にあるだろ? 暴動を起こしている賊軍は京師へ攻め込もうとしているけれど、京師からの官軍に敗れている。だから、賊軍はそこから東や南へ後退しつつあるんだ、東の陳国……それに南はここ汝南郡だ。汝南郡は戦場になるんだ」
 子衡さんの語り口は落ち着いたものだったけれど、最後には、熱いものとなっていた。当の私は、彼の訴えかけているような様子をよくわからないでいる。
「そんな暴動なんて、たとえ長引いても、ここに来る前に鎮圧されるんでしょ? それより、大事な話ってそれだけのことなんですか?」
 覚悟を決めていた私は、すかされたようで少し苛立ちを覚えていた。私の言葉を耳にしても、子衡さんはまだ私に何かを伝えようとした眼差しを向けたままでいる。
「いや、暴動はおさまるどころか、賊軍は食糧や軍資を求めて南や東へと範囲を広げている。その勢力は郡や県の軍では到底、対抗できないぐらいだ。やがてここまでやってくるだろうね」
 ついさっきまで朗らかにしていたとは想像できないぐらい、子衡さんは深刻な表情を浮かべていた。
 暴動が広がっているってどういうこと?
 ここまで来るってどういうこと?
「こことは……細陽県とは関係のないことなんでしょ?」
 私は、答えのわかりきっていた問いを口にしていた。子衡さんの目に悲しみが浮かんでいる。
「昨日、隣の県が賊軍の襲撃に会ったそうだ。うちの県府はそのことで昨日から大騒ぎだよ。俺も馬で書簡を送ったりとかで働きづめだ。それでさっき県長と県の有力者たちが話し合った……」
 思わず、私は自分の声で子衡さんの声を遮ってしまう。
「だ、大丈夫でしょ? 県の有力者って私のお父さまもいるから、そんな暴動なんて何とかなるんでしょ?」
 知らず知らずに私の声は震えていた。本当に賊がこの庭園にやってくるかもしれないから。それに、子衡さんの表情から事の重大性がわかったような気がしていた。声を荒くする私に子衡さんは嫌な顔一つしていない。
 やがて、子衡さんはゆっくりと目を伏せ気味にする。
「我が郡は住民全員で南東に避難することにした……明朝、出発だ」
 子衡さんはとても弱々しい声で私に告げた。
 住民全員ということは私の家もということ? そんなこと、お父さまが許すはずがない。
「そんな決めごと、お父さまが許すわけないでしょ?」
 自分で自分が嫌になるくらい、今の私は攻撃的。でもそうするしか私には思いつかないでいる。この庭園を棄てるなんて私には考えられないことだ。
「いや、避難を一番、主張したのは君の父上の劉さんだ。劉さんは立派な人だ。あの人はこの県を守るのに充分な兵力がないことを知っておられる。今、賊軍と戦えば、皆、無駄死にに終わることも……」
 子衡さんのその言葉に、私は目がくらむ感じを受けた。お父さまはこの庭園を棄てると言うこと? どうして?
「うそよ…」
 口からはそんな言葉しか出てこない。とても弱々しい声。
 それに、何? 目頭が熱いし、何だか頬は湿っぽいし。子衡さんの顔がぼやけて歪んで見えるし。
「かわいそうに…」
 子衡さんはそうつぶやいて、絹の切れ端を私の顔へと持ってきていた。
 そうだ、私って泣いているんだ。
 子衡さんは私の涙をぬぐっていた。
「私の庭園なのに……お父さまはそう言ってたのに……」
 ようやく私の口から出た言葉はみずからの嗚咽でかき消されてしまっていた。
 首をもたげ両手で涙を止めようとしても止まらない。みじめに顔と指がぐちゅぐちゅになるだけ。喉からは間抜けな音の嗚咽しか出てこない。
 それでも子衡さんは私の手や肩に触れ、なぐさめてようとしてくれていた。でもそれが返って余計に私を惨めな気分にさせている。
 いたたまれなくなり、私は右手で子衡さんを軽く押す。もうこの場からいなくなって欲しかった。
「じゃ、俺、明日の朝、迎えにくるから……」
 子衡さんはそう言葉を残し、その場から立ち去っていった。

続き

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